大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 平成元年(わ)661号 判決 1989年9月29日

本店所在地

愛知県小牧市大字東田中字大杁一三五六番地の一

古川工業株式会社

(右代表者代表取締役 古川哲男)

本籍

愛知県小牧市大字池之内一四七八番地の一八

住居

右同

会社役員

古川哲男

昭和一七年五月二四日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官北島孝久出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人古川工業株式会社を罰金一一〇〇万円に、被告人古川哲男を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人古川哲男に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人古川工業株式会社(以下「被告会社」という。)は、愛知県小牧市大字小牧原新田二二三五番地(平成元年一月三〇日以後は、愛知県小牧市大字東田中字大杁一三五六番地の一)に本店を置き、建設機械の販売及び修理等を営むもの、被告人古川哲男は、被告会社の代表取締役として、その業務全般を統括していたものであるが、被告人古川は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の外注加工費を計上するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上

第一  昭和六一年四月一日から同六二年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六七九一万一六八円であり、これに対する法人税額が二八四一万九二〇〇円であるのに、同六二年五月二九日、愛知県小牧市大字小牧一九五〇番地所在の小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一二八五万四四三七円であり、これに対する法人税額が四五八万円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二三八三万九二〇〇円を免れ

第二  同六二年四月一日から同六三年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が、四六九五万三三〇三円であり、これに対する法人税額が一八七四万八二〇〇円であるのに、同六三年五月二六日、前記小牧税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一九一万一〇八〇円であり、これに対する法人税額が五六万一三〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一八一八万六九〇〇円を免れ

もって、いずれも不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

(注)括弧内の甲、乙、算用数字は、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)の証拠番号を示す。

判示全部の事実について

一  被告人古川哲男の当公判廷における供述

一  被告人古川哲男の検察官に対する供述調書(乙15)

一  被告人古川哲男の大蔵事務官に対する質問てん末書一四通(乙1ないし14)

一  古川洋子(甲9)、福吉輝男(甲12)の検察官に対する各供述調書

一  福吉輝男(二通-甲10、11)、清水嘉治(甲13)、仲村兼松(二通-甲14、15)、毛利満由美(甲16)、中島松代(甲17)、新美康夫(甲18)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官松田芳弘作成の脱税額計算書説明資料(甲24)及び査察官調査書(七通-甲25ないし31)

一  大蔵事務官浅谷勇作成の査察官調査書二通(甲32、33)

一  小牧税務署長作成の証明書五通(甲1、2、19、20、22)

一  検察事務官作成の電話聴取書

(法令の適用)

法律に照らすと、判示第一、第二の各所為は、各事業年度ごとに法人税法一五九条一項(被告会社については、更に同法一六四条一項)に該当するところ、被告会社については情状に鑑み同法一五九条二項を適用し、被告人古川については所定刑中懲役刑を選択することとし、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告会社については同法四八条二項により合算した金額の範囲内において罰金一一〇〇万円に、被告人古川については同法四七条本文、一〇条により犯情の重いと認める判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内において懲役一年にそれぞれ処し、被告人古川に対し同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 大山貞雄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例